検索
  • azaminoone

外国人雇用の準備とは?②(従業員教育、他)

更新日:2020年9月29日

ある会社さんが、初めて外国人の雇用に踏み切ろうとする際の最難関は、前回①で述べた、処遇の公平さと透明性の確保の問題でした。これに勝るとも劣らないのが、教育体制の問題でしょう。この「教育」の対象分野は、大きく分けて


(1) 日本語教育、と

(2) 技術・専門知識教育


の二分野である、というのが一般的なご認識でしょう。特に技能実習制度と新在留資格「特定技能」の二つについては、上記二分野についての教育体制の整備が必須であり、会社さんが自前で(内部)体制整備するか、一部を外部委託するか、のいずれかの対応が必要となります。ところが雇用の現場では、それ以前の、もっと基本的な部分での日本(あるいは先進国)社会についての理解の必要性を痛感する、との声が聞かれます。


こんな話がありました。既に数か国(いずれもアジア圏)の出身者を雇用している会社さん(本社神奈川県)の、人事担当の管理職Aさんが、同社の東北工場に定期面接に赴いた際のことです。最近、同工場で勤務を始めたばかりの、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の技術人材Bさん(母国の有名工業大学の新卒で、日本語能力N3クラス)が、その面談の席で、「お金もたまり始めたので、そろそろ軽自動車を買おうと思う」と言い出したそうです。これに対して、管理職Aさんは、日本で免許をとるのに必要な時間と費用、維持費(燃料代、税金等)を考えると、まだ早いのではないか、とたしなめたそうです。すると、この助言に対してBさんが一番驚いたのは、自動車を買い、維持するのに「税金」がかかる、の部分だったというのです。


Bさんの母国では、まだ税金らしい税金の制度というものは未整備で、まして自動車にそんな費用がかかるなどとは、夢にも思っていなかった、という話です。外国人雇用管理の経験の長いAさんも、これには改めて考えさせられた、と言います。つまり、母国の有名工業大卒のエンジニアで、周囲の日本人工員よりも能力水準が高く、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働くBさんクラスでさえ、このような、最も基本的な社会常識に欠けている。今更ながら、コミュニケーションにもっと注力しなければ、と思った、と仰るのです。それも、現場での就労環境の良し悪し以前の、社会制度や生活基盤についての理解度の確認のために、です。


在留資格「技術・人文知識・国際業務」なおもてこれを覚悟せず、いわんや技能実習生をや、なのです。ある良心的な監理団体職員Cさん(在留資格者外国人)は、最近の技能実習生の失踪多発について、こう言いました。彼らの入国・就職時の雇用条件説明の際に、(日本人にとっては今更説明の必要もない)税金や社会保険掛金、公共料金等を控除・支払い後の予想手取り給与を、事前に、具体的に試算して説明している会社が極めて少ない(ほとんどない?)からだ、と。つまり、来日までに抱いてきた「バラ色」の夢が、最初の給与明細を見た瞬間に吹き飛ぶからだ、というのです。この監理団体職員Cさんは、ほとんど毎日のように、日本中の(主に中小)企業に勤務する母国出身者達と面談し、悩みごとを聴いて回っておられる方です。


以上、二回にわたり、「外国人雇用の準備」(心構え?)について書きました。これらの意味するところは、要は、外国人雇用にはそれなりの「グローバルスタンダード」の整備が必要である、ということなのかもしれません。


次へブログトップサイトトップ相続・事業承継ブログトップ略歴


ご参考 ⇒ https://www.aosjp.com/agency-servicesjp (Ⅳ 業務代行 → 7.)


4回の閲覧0件のコメント