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「ギグ・エコノミー」とは

アンカー 1

   「ギグ(gig)」とは、元々、普段別々に活動しているミュージシャン達が、音合わせを兼ねてその場限りの演奏や単発ライブをやることを意味していたのが、転用されて、「単発の仕事」の意味で使われるようになったものです。

   まず米国で、特にインターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方が広がってきた状況を称して「ギグ・エコノミー」と呼ぶようになったといわれます。典型的なものとしては、ネット仲介の配車サービスや、ネット経由でのデザインやサイト、コンテンツ制作の受注などで、いわゆる「非正規労働」と呼ばれる就業形態の一種でもあります(「ギグ・ワーキング」、「ギグ・ワーカー」とも)。

   日本では元々、「個人事業者」、「個人事業主」と呼ばれてきた方々と(労働法や行政のとり扱い上)全く同じ就労形態なのですが、商業だと「商店主」、建設工事だと「一人親方」など、業種別の通称も多々ありました。同様に、主に文筆系や広告系が「フリーランス」と呼ばれるようになり、インターネット系が「ギグ・ワーカー」と呼ばれるようになったという経緯に過ぎず、いずれも自然発生的なので、相互の垣根は不明瞭なのです。更に、日経では「フリーランス」が広義の個人事業就労者を意味する用語として定着しつつあります。(経産省の「持続化給付金」の要件説明に「フリーランスを含む個人事業者」と表現されたのも影響大でした。)

   特に「コロナ禍」以降、広義のフリーランスで1000万人、ギグ・ワーカーで100万人の大台超えともいわれ、社会保障、特に健保・年金面でのサポートが必要、との議論も活発になされるようになりました。

   一方、最近ではサラリーマンの「副業」解禁(勤務先の就業規則の改定による)という文脈でも言及されることが多くなりました。

発注する側からすると、

  1. 必要な時、必要なだけの対価を支払って外部リソース(ヒト・モノ)を利用できる。したがって、

  2. 常雇用の場合、どうしても避けられない)人件費が固定費化する(アイドルタイムにも費用が発生し続ける)ことになりにくい。また、

  3. 常雇用の場合、当人が納期を意識せず、むしろわざと「ゆっくり作業して時給・残業代をかせごうとしがちな傾向があるのを防止し易い一方、

  4. 適時適切な人材確保が必ずしも期待できない、とう不安定さを覚悟する必要があります。

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