前回に続き、以前勤務していた会社(従業員800名程度)で、人事企画担当マネジャーとして、人事考課に携わった頃の経験について書きます。
人事部でのキャリアが、社内の「本流」と目されているか否かは、業界・会社によって様々である、といえるでしょう。
① うまくこなせば、将来の役員ポストにつながる業界・会社もあれば、
② 人事権限が業務部門にバラけていて、人事部はいわゆる「庶務課」(2?)に過ぎない
というケースもあります。①の典型は銀行、②の典型は官庁、といったイメージでしょうか。私の場合は、その中間的な位置づけであった、といえるでしょう。
機能の面から見ると、①の場合は大くくりに言って、いわゆる「成果主義」考課への移行が比較的容易である、といえるでしょう。一方②の場合、そのような社内制度改変に強い抵抗が生ずる場合が多いと思われます。いわく、「近くで見ている上司が最も正確に評価できる」、「業務に精通せずに、ヒトの評価はムリ」云々となり、人事部との綱引きになりがちです。
こういった軋轢が最も顕著に表れるのが、いわゆる「調整会議」などの名称で呼ばれる、部門横断・社内全体のランク(考課)調整会議の場となります。このあたりについては、某有名IT企業の人事部をスピンアウトしてコンサルをされている、Jさんの著書に詳しいところですが、どこの会社でも、多かれ少なかれ同様の光景が繰り返されてきたことは、間違いないでしょう(同社の例が特に極端だったことも、間違いなさそうですが)。
結局のところ、トップと部門長クラスの思いのギャップを、本当の意味で「調整」する手腕のある担当役員クラスがいるか否か、がカギを握るということに尽きると思いますが、年来、日本で「成果主義」そのものが誤解され、極めて評判が悪いという歴史を振り返ると、このような「調整」がいかに困難か、が推察されると思います。
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ご参考 ⇒ https://www.aosjp.com/in-house-system-desiningjp (Ⅲ 社内制度設計・運用 → 3.)
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