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  • 執筆者の写真azaminoone

「私の履歴書」27 メンタルヘルス

更新日:2022年6月10日

メーカー時代③


人事部の管理職となった際、社長から言い渡されたいくつものミッションの中に、社員の「メンタルヘルス」対応の問題がありました。この用語は、当時まだ世の中で一般的に使われているものとはいいにくい状況で、「セクハラ」こそ知られていましたが、「パワハラ」は未だし、だったと思います。当然、社内には、これらについて正しく理解している者はいませんでした。


正直をいうと、自身が過去に何度か超激務の日々、一種の「うつ症状」だったのではないかとの自覚がありました。東京経営者協会のセミナーの一単元にこのテーマがあり、これをきっかけに、同講師の他のセミナーにも参加しました。経験が先で、後に最新理論を学んで(自身の体験を踏まえて)理解を深める。この流儀は、私の「学び」の一つのパターンになりました。ちなみにこの講師、以前のブログ「人事考課について」で「某有名IT企業の人事部をスピンアウトしてコンサルをされている、Jさん」と紹介した方の出身企業で、臨床心理士4名のチームにより、主力工場のメンタルヘルス対応をされていました。


管理職用の社内マニュアルを作成し、社内の部門長達に集まってもらい、自ら講習を実施しました。皆、初めて聞く話に、戸惑いの表情を示していました。一方で、年間500人こなした(「ハーフ千本ノック」)人事面談で懸念を感じた社員、またすでに医師の診断書を提出して休職中の社員、あるいは同種の原因で出社に困難をきたしているものと思われる社員らにつき、出社の際に別室で面談をし、状況を把握するよう努めました。中には、3か月毎に医師の診断書を持参するためだけに出社する社員もおり、これについても面談をし、診断内容に応じて以降の「通勤訓練」の相談をし、あるいは休職中の家庭環境など、悩みを聴くようにしました。


通勤訓練」とは、例えば週に一度、ラッシュアワー後に出社させ、軽く面談して定時前に帰宅させることを何度か試み、自信がついたところで毎日数時間限定の勤務を数か月、これをクリアしたところで定時勤務に切替える、などです。手間もかかり、気をつかう仕事でした。しかしこの結果、通常の勤務ができるようになる社員もおり、やってみるだけの価値はありました。


メンタルヘルスの問題の大きな原因の一つに、過度の時間外労働の問題がありました。必ずしも上司の命令によらず、自身の「使命感」から、自らを追い込んでしまう例も少なからず見られました。月中時間外労働時間限度を80時間とし、毎月集計して、超過者や超過しそうな者については部門長にアラームを出して対応策を検討する、という管理を続けました。



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