メーカー時代① 業務は充実していましたが、心の中では、転職を意識しつつありました。元々、一度はメーカーで働きたいという気持ちがあったのですが、このまま数年留まって出向を待つよりも、意欲の高いうちに自らの意志で出た方が、と考えるようになったのです。結局、プラントエンジ系のメーカーの中途採用に応じ、採用されました。
業歴が長く、保守的な社風でした。自身に求められているのは、これを打ち破る変革だ、と当時の社長に発破をかけられ、新設されたばかりの人事部人事企画Gのリーダーとなりました。早速、経団連傘下の東京経営者協会主催の人事・労務・総務部門実務者養成コースに参加し、一から本格的に人事を学びました。かなりの程度、OJTでやってきたことなので、改めて理論的バックボーンを教わるのは、楽しい経験でした。
懸案は目白押しです。人事考課を成果主義に切り換え、退職金を中途採用に対応する構造に設計し直し、社内女性活躍プロジェクトを推進し、メンタルヘルスに対応し、企業年金に確定拠出年金を導入する・・・
企画に留まらず、これに続く実務も担当でした。社内の管理職に集まってもらい、創ったばかりの新考課制度を説明し、定期考課をとりまとめ、部門横断の社内調整会議を行い、経営に説明し、確定後に各部門にフィードバックします。
退職金については、従来は新卒⇒終身雇用型の「出口総洗い替え方式」だったものを、可能な限り、中途採用でも同程度のキャリアの「生え抜き」と遜色がないよう、設計し直しました。
毎年3ケ月ほどかけ、計500人ほどの社員と、部門ごとに各人30分程度(一日最多で十数名)、一対一の面談を行い、不満や提言、異動希望などを聴取しました。部門の課題については各部門長と擦り合わせ、最終、各人の異動計画を立案して経営にレポートする、というサイクルを4年間、繰り返しました。
並行して、ほぼ全員が一般職だった女性職員の中から、リーダークラスを育成し、最終的には部門長から役員につける、という「社内女性活躍プロジェクト」も主導しました。同様に各自と面談し、キャリアアップのための仕事の仕方と勉強の仕方、周囲の環境整備などについて語り合いました。
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