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  • azaminoone

外国人雇用の準備とは?①(「同一労働同一賃金」の意味するところ、他)

最終更新: 2020年9月29日

日本の企業にとって、外国人雇用の問題は今日、喫緊の課題となりつつあります。ただ、特に中小企業にとって、そのハードルは引続き高いといえます。今日は、この問題の構造について考えてみたいと思います。


日本の中小企業が外国人雇用に踏み切ろうとする際、従来、その役職員が当然と考えてきたいくつかの「考え方」に、見直しを迫られることと思います。その最たるものは、おそらく「同一労働同一賃金」でしょう。端的にいえば、長らく日本の雇用慣行として定着してきた、雇用形態(正規・非正規)による事実上の賃金格差、というわが国の「常識」により修正され、「建前」に留まってきた原則、という側面です。これを、企業経営の観点からみれば、


① 各職種を徐々に非正規化することにより、コストダウンと利益率の下支えを図ってきた、という背景があり、一方、

② 同じ問題を労働市場の側から見れば、結果的に組織率の低下につながった、という事実があります。


類似の問題として指摘されるものに、男女の賃金格差や、「ガラスの天井」などの問題があります。これらも含めた、日本特有の労働慣行の依って立つ基盤として、従来から指摘されるのは、いわゆる「ムラ社会」性であり、日本人が何かと正面から説明しにくいものでした。社会基盤・法制度・文化背景などが深く絡み合っているものだからでしょう。


この種の説明のしにくさに、最初に苦しむことになったのは、海外駐在の日本人ビジネスマン達でした。彼らの多くは、各種の事業系人材でありながら、海外拠点展開の旗手としてやむなく、現地で採用面接や人事管理などを、初めてOJTの形で学ばざるを得ませんでした。その過程で、日本企業特有のメンタリティーと、現地雇用慣行との狭間で苦しみながら、何とか折り合いをつけようと、苦労してきました。そして今、同種の苦労を、国内型の「人事族」が経験することになった訳です。


いわく、特定の人材コア間に、昇進のバイアスが当然の前提と認識されていること、いわく、在職年数によってそれなりの昇進モーメントが働くこと・・・などなど。これら、論理的に説明しようのないことを、外国人スタッフに対しては阿吽(あ・うん)の呼吸で悟らせることができない以上、改めて何がしか、(部分)修正して文書化せざるを得ない。しかし、そうすると、上層部から不興を買うことになり・・・という具合です。


少子化と、それによる労働力不足という結果は、大きく見れば、国家の根幹的な政策の失敗によるものであり、また、いびつな労働人口ピラミッドは、「多数決」を通じて世代間の不公平を拡大する、という副産物をも生み出しました。そのツケは、ついには中小企業レベルの事業の存続問題にまで、及びつつあるという訳です。話が大きくなり過ぎましたね。元に戻します。


外国人労働者の日々の労務管理について、ある経験の深い役員クラスの方が力説されていたのは、「何はともあれ、こまめなコミュニケーションが大切」ということでした。その会社さんでは、5人ほどの作業チームを同一国の出身者で構成し、ほぼ毎日、短時間でも役員さんご自身で、一人一人と顔を合わし、その日の作業について感想を聴く、ということを続けておられるとのこと。本当に頭の下がるお話で、そのようにしながら、各チーム内にリーダークラスを、一人ずつ養成してゆきたいとのことでした。誠に、ナマ身のヒトを相手にする仕事というのは、地道な、大量生産の効かない作業であると、再認識させられました。


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ご参考 ⇒ https://www.aosjp.com/agency-servicesjp (Ⅳ 業務代行 → 7.)


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